こんにちは、タナカマサヒロ、こと、T▽Tです。
先日北陸地方のある大規模災害拠点の救急病院で、医療経営のセミナーを受けました
この病院は、職員満足度に大変気を配られており、また十分な医療を受けられない社会的弱者の救済医療にも力を入れています
副院長が、患者さんの満足や医療安全の実践には、『職員満足なくして、なし得ない』大切なのは患者さんとの関係と立場。
患者さんを上から目線で扱うのは論外だが、かといって不要な敬語で“患者さま”にする必要もない。患者さんと同じ目線で医療サービスを提供すればよい。病院の差は「職員の差だ!」とも明言されていました。
今回は救急搬送された1つの症例と、「そこで瞬時に対応された医療チームを報告します。」(以下若干、救急処置の具体的内容とその対応を記述しています、不安な方は閲覧を控えてください)
ある日の夕方、救急から交通事故の一報、10歳くらいの女児、大型トラックにひかれて、損傷大きく、心肺停止状態。5分後搬送されたが、身元確認も困難で、ひどい状態だった。
頭部、顔面損傷もひどく、誰もが助かる見込みのないことは明らかだった。待ち合いには他に高熱や外傷で数人の救急患者が待機していた。
しばらくして、母親が真っ青な表情でかけつけ、すぐに面会を希望したがER(救急救命室)の医師は拒否した。
NSは迅速に身元確認を行い、他の救急患者の対応に当たるように勧めた。しかし、医師はこう言った。
『この状態では母親に会わせられない。せめて顔面だけでも、元に戻そう。他の患者は命に別状はない。すぐにみんなでやろう』
そこにいた、他のDR,NS合わせて10人が、頭部顔面の出血をおさえながら、一針一針縫合し、丁寧に処置をした。
救急控え室にいる母親に会わすことができたのは30分後、警察官の説明を受け、顔に生気はなかった。
医療スタッフは、すぐに臨床心理士を同席させ、反応は覚悟をしていた。変わり果てた娘をみて、見るに堪えない、つらい空間であったが、最後に母親はこう言った。
『他の患者さんがたくさんいるところ、娘をこんなに綺麗にしていただき、先生方、本当にありがとうございました。お気持ちに感謝いたします』
ERの患者を待たせたが、母親の言葉を受けて、スタッフの誰一人として、異論を唱えた者はいなかった。
教育も、医療と共通した心が必要と思う。
「履正社柔整の先生方と今一度見直してみたいことは。学生の立場、学生目線で教育サービスを提供しているだろうか?また日頃の行為や行動・発言が、周囲にどんな影響や刺激を与えているか?先生自身が大満足で教育を行なっているのか…。
常に周囲を見渡し、冷静慎重な医療人教育者を、今以上に目指さなければならない。と、改めて考えさせられた症例と、セミナーでの明言でした。」