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日常生活(ブログ)

柔道整復学科

『症例紹介 vol.4』

こんにちは、T-Tです。


50才男性、
車のピラーに手をかけていた所、子どもがドアを閉め、右人差し指先
端を挟まれた。直後痛覚はなかったが、神経が麻痺したような感覚があり、知覚
も触覚もない。30分経過したあと、紫の血腫と熱感、激痛が生じ始め、その後、
心配で来院した。

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発生機序から、右示指(人差し指)末節骨先端の骨折が疑われた、皮膚や深部組
織の痛みや屈曲時の運動痛は著しいが、先端部骨の圧痛はさほどないし、局部へ
の振動痛もない。ただ、骨折は否定できないので、レントゲン検査を行った。

IMGA0386

 幸いに骨折はなかったが、難しい判断だった。処置は消炎鎮痛剤の軟膏と冷湿布、
包帯固定で、先端部に付着している靭帯が損傷している可能性が強いので、先端
だけでなく指全体を曲げないように指導し、経過観察とした。

外用薬処置と包帯交換、経過観察のため毎日通院し、3日目から症状が緩和し、
温熱療法、電気療法、マッサージを行い、10日で治癒した。

検査の結果、自信があっても、発生機序から骨折が否定できない時は、レントゲ
ンや超音波など、画像検査を行わなければならない

不必要な検査は患者にも負担をかけるし、無駄だ。ただ内科医が聴診器で異常か
正常かを判断するように、我々は手で検査を行い、見えない損傷を判断しなけれ
ばならず、正確な診断には、臨床経験を積むしかない。

真の治療家に近道はないのだ。

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