2015.01.26 どーせ無理 今日、素敵な方と出会いました。 その方は、40歳代後半の男性です。昨年、脳の血管の一部が詰まり、小脳梗塞になった方です。小脳は、身体のバランスを取ったり、指先を使った作業など細かな動き、自転車に乗るような無意識での身体の使い方をコントロールするところで、梗塞とは、詰まることです。 その方のお家に訪問リハビリに行かせて頂きました。 その方は、昨年一度、退院されましたが、日常生活の動作で出来ないことが多過ぎ、これではだめだと思い、施設へ入所してがむしゃらに理学療法を行ったそうです。 現在は、お家に戻られていますが、ご自分で立ち上がること、車椅子へ乗り移ることなどが出来ません。日中は一人でおられるので、トイレもおむつで済ませておられます。 しかし、この方めちゃくちゃ明るいのです。 良く笑われます。 ご自分で起き上がることさえ出来なかったのが、出来るようになったことで自信が持てたこと、自分には可能性があると分かったことを話してくださいました。 この方とお話ししていると、こちらが元気を貰えます。私にはわからない困難にも果敢に挑戦されておられる姿、本当に素敵です。 北海道の植松電気の社長さん「植松 勉」さんが、TED主催の講演会のプレゼンテーションで「どーせ無理」という人間の自信と可能性を奪ってしまう言葉は使わず、「だったらこうしたら」という可能性を常に考える社会を目指したいとおっしゃっておられます。 自分の未来や可能性を諦めてしまった人たちは、頑張れないから、自分で生み出せないから、人から奪うことしかできないから、最後には人を殺めてしまうことだってあるようです。 何事にも「どーせ無理」と思わず、諦めず挑戦することが大切だそうです。 でも失敗はします。失敗はつきものです。でも失敗はマイナスでは無いそうです。 失敗は、上手くいくためのデータだそうです。 今日、私が出会ったその方は、立ち上がることに挑戦し、何度も何度も失敗をしたそうです。 今日も、立ち上がる動作を一緒に練習した時に、上手く立ち上がれませんでした。 でも、骨盤の動きをある程度、ご自分でコントロールできそうだったので、立ち上がる瞬間にその誘導をちょっとだけ行いました。今までの失敗は、こうすればできるようになると言うヒントだったようです。 ご自分で立ち上がることが出来るようになった、この方は、今度は少しの距離でも歩くのが目標だとおっしゃっておられました。非常に前向きで本当に素敵です。 学生達に「どーせ無理」と思わせないように、この方のように目標を定め、それに向かって致命傷にならない安全な失敗を繰り返しながら、達成できるように支援したいと思う今日この頃です。 とっしゃん2号 前の記事 記事一覧 次の記事